「写真革新: HEIF MAX入門 – 初心者のための新保存形式ガイドとそのメリット・デメリット完全解説」

最新の画像保存形式「HEIF MAX」をお試しになったことはありますか?

「HEIF MAX」はまだ多くの場では採用されていないため、知る人ぞ知る存在です。

しかし、この「HEIF MAX」を知ることで、あなたの画像保存に革命が起こるかもしれません。

端的に言えば、「HEIF MAX」は圧縮技術を駆使した究極のファイル形式と言えるでしょう。

HEIF MAXについて

最初に、HEIF MAXが何であるかをお伝えしましょう。HEIF MAX(ヒーフマックスと読みます)は、iOS17の最新機能で、2023年の9月にリリースされました。新たな画像保存方式として注目を集めています。従来、iPhone12Pro、12ProMax以降のモデルで使える「ProRAW」という高品質な画像保存オプションがありましたが、iOSのこの機能は特にRAW形式をiOS向けに最適化したものでした。

しかしながら、iPhone13Proや13ProMAXはメインカメラが12MPだったのに対し、iPhone14Pro、14ProMax以降は48MPへと飛躍的に進化しました。この進化により、ProRAWでの保存データは想像を超えるほど巨大化し、約75MBに達することもあったのです。これにより多くの初心者や容量の少ないiPhoneユーザーにとっては、取り扱いが難しいものになってしまっていました。

「じゃあ、JPEGやHEIFで圧縮すればいいのでは?」と思うかもしれませんが、この2つの形式は12MPまでしか対応していないため、解決には至りませんでした。

そこで誕生したのが「HEIF MAX」です。HEIF MAXの導入により、ProRAWと同等の高画質を実現しつつ、圧倀的に少ないファイルサイズでの保存が可能になりました。端的に表現すると、HEIFはJPEGを更に圧縮したもの、そしてHEIF MAXはProRAWを究極に圧縮した形式だと捉えてよいでしょう。

ここからは、このHEIF MAXの利点と欠点について、詳しくお話ししていきましょう。

HEIF MAXの圧縮技術の素晴らしさ

HEIF MAXの凄みはその圧縮技術の優れた効率にあります。まず基準となるHEIFについてお話ししますと、HEIFは従来のJPEGに比べて約半分のサイズでファイルを保存できることが大きな特長です。例を挙げるならば、4MBのJPEG画像はHEIF形式にすることでおおよそ2MBで保持することができるわけです。JPEGと比べても画質の低下がなく、メタデータの損失もなしに、これだけの圧縮を実現しています。

それに対して、本稿で焦点を当てるHEIF MAXに目を移すと、なんとProRAW形式のデータに対して約15倍という圧縮率を実現しているのです。数値で表現すると、ProRAWでおおよそ75MBとなるデータがHEIF MAXではたったの5MBで保存できる計算になります。すばらしいことに、この圧縮を達成しても、同様にメタデータの損失もなく、48MPの高画質を保ったままです。加えて、カメラアプリ内での編集機能も利用できるため、使い勝手の面でも非常に魅力的です。

しかし全てを通して最も注目すべきポイントは、48MPという高解像度の画質と詳細なメタデータを保持しながらも、ProRAWの15倍にも及ぶ圧縮を可能にしている点に尽きるでしょう。

HEIF MAXにおける欠点

何事にも欠点は存在し、HEIF MAXにおいても例外ではありません。最も顕著なのは、対応するデバイスが限定的である点です。圧倒的な圧縮性能を誇るHEIF MAXですが、全ての機種での利用は叶いません。特に、ProRAWを代替する形式であるため、Apple製の製品に限られてしまい、利用可能なのはiOSデバイスのみです。

さらに、Appleデバイスの中であっても、iOS17にアップデート可能で48MPのカメラ性能を持つモデルに絞られます。つまり、これらの条件を満たすのはiPhone14Pro、14ProMAX、iPhone15、15Plus、15Pro、15ProMAXのたった6種類の機種だけです。

ファイルの表示の面では、HEIF形式であり、iOS11以後のiPhone、または「High Sierra」以降のMac OSを搭載したMacなら表示可能です。表示可能なデバイスやアプリケーションが限定されている点もデメリットと捉えられがちですが、それに勝るとも劣らない問題点は、実際に撮影を楽しめるデバイスがわずか6モデルのみであることです。

HEIF MAXを活用する方法

iOS17が搭載された最新のカメラアプリには、写真のフォーマットを素早く変更する機能が備わっています。「HEIF Max/RAW」という明確なボタンをタップするだけで、HEIF MaxとProRAWとの間でフレキシブルな切り替えが可能です。特に、カメラアプリの右上に配置されているこのボタンは、iPhone14Pro、14ProMAX、iPhone15、15Plus、15Pro、15ProMAXという6種類のデバイスに最適化されていますので、これらのモデルをご利用の方は是非利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ:保存形式HEIF MAXの未来に期待

今回は、「HEIF MAX」という新たな保存形式に関する特長や、その利点や限界点についてご紹介しました。新規の技術やフォーマットは、しばしば使い勝手が悪かったり、対応デバイスの少なさが課題となるものです。これは技術が初期段階にあるからこそ起こる自然な現象です。

しかし、HEIF MAXに関しては、その優れた圧縮技術と画質維持のバランスが注目に値します。普及の行方はこれからの技術展開次第で変わっていくでしょうが、こうした新しい保存形式が広まれば、データ保存のあり方も大きく変わることでしょう。特に、すでにHEIF MAXが使用可能な方々は、それを体験することで、デジタルデータの世界観が変わるかもしれません。

HEIF MAXは、ProRAWデータを効率良く圧縮しつつも、高品質な画像を保ち、メタデータまで保持しています。この情報は、今後のデジタル保存における重要なポインです。