【写真撮影入門】シャッタースピードの魔法:速度の変化が写真に与える効果

新しくカメラの世界に足を踏み入れた際に、各種専門語が頻出し、さまざまな情報が錯綜して頭を悩ますことありませんか?

難解な専門用語は控えめにしつつ、皆さんが日常的に接している様々な物事に例えて、分かりやすくご説明します。

今回のテーマは「シャッタースピード」について。シャッタースピードの概念を知りたい方や、その設定が写真にどんな影響を与えるのかを学びたい方にとってお役立ちの内容です。

シャッタースピードはありとあらゆるカメラに備わっている基本機能であり、押さえておくと写真撮影がグッと楽しくなるはずです。

初心者の方はこの場を学びの機会として、既に知っている方は理解を一層深めて、しばらくカメラから離れていた方はこの機会に再確認してみてください。

それでは、シャッタースピードについての解説を始めます。

シャッタースピードの基本について

シャッタースピードとは、写真を撮影する際にカメラのシャッターが開放される時間の長さを指します。カメラのシャッターボタンを押したとき、シャッターがどれだけの期間開いているかがシャッタースピードです。

シャッタースピードを調整する方法には、主に2つのパターンがあります。第一に、基準となる1秒の時間を細分化した設定が存在し、例えば1/2秒、1/4秒、1/100秒、更に細かく1/1600秒といった具合に、短くなるにつれてシャッタースピードは速くなります。

対照的に、2秒、3秒、10秒、さらには20秒といったように、1秒を超える時間に設定するとシャッタースピードは遅くなります。人間の目で考えると、早いシャッタースピードは素早くまばたきをすることに、遅いシャッタースピードは目を開けっ放しにしてより長く光を取り込むことに相当します。

すばやく目を閉じれば、光はほんのわずかな間しか目に入らず、長く目を開けていればその分だけ光の量も増えます。これにより、シャッタースピードを変えることで写真に大きな影響が出るわけです。以下では、シャッタースピードを速くした場合と遅くした場合に何が起こるのかを詳しく解説していきます。

シャッタースピードの速さとその影響

シャッタースピードを速くすると、動いているものを鮮明に捉えることができるようになります。これによって、手ブレによる写真の不鮮明さも減少します。

その理由は、写真撮影には光の利用が不可欠であるからです。シャッタースピードが速い場合、瞬間的に光を捕らえての撮影が可能になるため、ブレのない写真を得られます。ただし、その分光を捉える時間が短くなるため、写真は暗くなりがちです。

写真が暗いとネガティブな印象を受けるかもしれませんが、意図的にダークな雰囲気を演出したいシーンでは、シャッタースピードを速く設定するテクニックを使用することがあります。

動きが速い撮影対象を明るい写真で残したい場合は、カメラの他の機能である絞り値(F値)やISO感度を調範することで、写真が暗くなる問題を解決しつつ、早いシャッタースピードでの撮影が可能になります。

しかし、ここでは複雑な話は一旦脇に置いて、シャッタースピードを速めると動きのある対象をブレずに撮影できる一方で、瞬間的に光を閉じるために暗めの写真になりやすいということを覚えておきましょう。

シャッタースピードの遅さがもたらす効果

シャッタースピードを緩やかにすると、動きのある被写体も流れるように捉えることが出来ます。歩行者や自転車を少し長めのシャッタースピードで撮影すれば、動きを表現した残像あふれる写真を生みだせます。このような写真はブレたように見えますが、動きの速い被写体の瞬間を捉えられない速いシャッタースピードとは異なり、特有の価値を持っています。また、敢えてシャッタースピードを遅く設定することで、活動感が感じられる写真を撮ることもできます。

シャッタースピードが遅ければ、シャッターが開いている時間が長くなるため、より多くの光を取り込み、結果的に明るい写真を撮ることが可能になります。夜間撮影や暗い場所での撮影など、明るさが求められる状況で有効です。しかし、前述のようにシャッタースピードが遅いと流れるような残像が出やすく、ブレた写真となるリスクもあります。

ブレを防ぎつつ明るく撮る方法として、移動する被写体に並行してカメラを動かしながら撮影する、または困難な場合はF値やISO感度を調整してシャッタースピードを維持しながら撮る、などのテクニックがあります。ですが、まずは基本としてシャッタースピードを遅くすることで流れるような描写と明るさを獲得できることを覚えておきましょう。

シャッタースピードの選び方で悩んだ際のアドバイス

「最適なシャッタースピード」というものは、状況によって常に変わるため、一律の答えを出すのは困難です。そのため、絶対に正しいシャッタースピードというものは存在しません。しかし、一つの基準として知っておくと良いのが、焦点距離に対するシャッタースピードの目安です。この目安とは「1/焦点距離」というもので、例として50mmレンズであれば1/50秒、100mmレンズであれば1/100秒というように設定します。

この目安を下回るシャッタースピードにすると、手ブレによるぶれが生じやすくなり、望まない写真が撮れてしまう可能性が高まります。特にブレを避けたいシーンでは、1/焦点距離のルールを押さえておくと、快適な撮影を行えることでしょう。役立つヒントとして心に留めておくと安心です。

カメラ機能解説:シャッタースピード優先モードについて

カメラには多様な撮影モードが搭載されており、中には「シャッタースピード優先モード」と呼ばれる機能が存在します。メーカーごとにその呼び方やアイコンは違うかもしれませんが、しばしば「Sモード」とも称されるその設定に注目しましょう。

シャッタースピード優先モードとは、シャッター速度をユーザーが手動で設定し、絞り値(F値)はカメラに自動で調節させる撮影モードです。ISO感度もオートマチックに設定しておけば、シャッタースピードの調整だけに集中することができます。

特定のシャッター速度に精通していれば、移動する対象を滑らかに撮影したり、薄暗い場所でも明るい写真を得ることが容易になります。それにより、シャッタースピード優先モードは非常に有益な機能と言えるのです。

これまでオートモードでの撮影に慣れてしまっていた方も、シャッタースピードについて少し学習することで、思い切ってシャッタースピード優先モードにチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?きっと、新たな角度からの写真が撮れるはずです。

まとめ:シャッタースピードをマスターして良い一瞬を切り取ろう

シャッタースピードの魅力について説明してきましたが、このテクニックは深い理解を要します。動きあるシーンを意図的にブレさせたり、夜景を美しく撮るために長時間露光を利用したり、スピーディなスポーツカーをクリアに捉えるために高速シャッターを使い分けるなど、撮影環境や被写体に応じたシャッタースピードの設定が不可欠です。

全ての技術を習得するのは高度なスキルが必要ですが、初心者は無理に全てを学ぶ必要はありません。知識は役立つものの、知識だけが良い写真を生むわけではありません。ただし、シャッタースピードの調整がもたらす変化を理解していれば、より自分の理想に合った写真を撮りやすくなります。

シャッタースピードを速めると、ブレを抑えた写真が得られ、光を少なく取り込むため比較的暗い写真に仕上がります。一方で、シャッタースピードを遅くすることで動きのある流れるような撮影が可能になり、明るい写真を得ることができます。今回紹介したこの2つの基本を覚えておきましょう。