皆さんがカメラを手に取った初期段階では、あれこれと調べることも多く、専門的な用語に遭遇すると、時には頭を悩ませることもあるかと思います。
私たちは、難解な用語遣いは極力控えつつ、日常で目にする物事に喩えながら、分かりやすく解説を進めていきたいと思います。
今回取り上げるのは、ISO感度についてです。この機能についてもっと知りたい方、ISO感度の調整によって写真がどのように変わるのかを学びたい方には特におすすめの内容です。
ISO感度はカメラに必ず備わっている重要な機能であり、この知識は撮影において非常に役立ちます。
まだISO感度が何なのか知らない方も、この機会に理解を深めてみませんか？
また、既にご存じの方も、今一度確認することで覚えを新たにできるはずです。あらためてISO感度について一緒に確認していきましょう。
それでは、ISO感度に関する詳細な解説を始めましょう。
ISO感度の基本知識
ISO感度は「イソカンド」と読まれることが一般的です。一方で、単に「イソ」と省略したり、「感度」とだけ言ったりすることもあります。
また、アルファベットの略称で「アイエスオー」と呼称する人もいるかもしれません。これらの呼び方は異なるものの、指し示している内容に差はありません。この機会にISO感度の読み方について覚えていただけると嬉しいです。
さて、ISO感度とは、具体的には、カメラが光を捉える能力を数値化した指標です。ISO感度のスケールは通常、100からスタートし、125、160、200と数値は上がっていって、特に高性能なモデルでは51200や102400にまで達するものもあります。
カメラがセンサーに受けた光を電気信号に変換して画像化する際、ISO感度を高めることでその電気信気を増幅させることができます。つまり、ISO感度が高いほど暗い環境でも必要な露出を得やすくなり、逆にISO感度が低いと明るい場所で光の量をコントロールできます。
単純にISO感度を調節するだけで光量を調整できると非常に都合が良いのですが、問題はノイズの発生です。次の項目では、ISO感度が低い場合と高い場合に生じる写真への影響と、その際発生するノイズについて詳しくご説明します。
ISO感度の低さがもたらす影響
ISO感度を抑えた場合、その結果としてノイズが少なく高画質な写真を撮ることができます。
さらに詳しく解説すると、ISO感度が低設定になっている時点で、電気信号の必要量も減少します。電気信号はノイズ発生へ大きく寄与するため、信号が少なければ少ないほど、それに比例してノイズも減るわけです。
すると、「常にISO感度は低く保つのが最適」と推測するかもしれませんが、実はそうとも限りません。
ISO感度を下げると、カメラの撮影素子に到達する光の量が増幅されにくくなり、結果的に暗めの写真になりがちです。これは、ISO感度が低いことで電気信号が少なく、撮影素子に受けた光の量もそのまま少なくなる傾向があるためです。
ただし、絞り値（F値）やシャッタースピードを調整することで、この問題に対処できます。何を重視するかによって、画質のクリアさ、背景のボケ具合、焦点の合わせやすさなど、撮影設定を適宜変更することが可能です。
しかし、複雑な話はここでは省くとして、ISO感度を低く保つことの重要性として、ノイズが少なくクリアな画質で写真が撮れる点を覚えておきましょう。
ISO感度の影響：明るさとノイズについて
カメラのISO感度を上げると、結果として写真が明るくなる反面、ノイズが目立つようになります。ISO感度を高めるという行為は、撮影素子が受け取った光を変換した電気信号を増幅させることに他なりません。増幅された信号は、明るさに直結するため、暗い環境でも明るくはっきりとした写真を撮影することができます。
なぜ常にISO感度を高く設定しておかないのかというと、ISO感度が高い状態での電気信号の増幅は、ノイズを増やす一因となるからです。ノイズとは、写真のざらつきや粒子のようなものであり、画質を悪くする原因になります。
特に暗がりでの撮影時などにISO感度を上げがちですが、その結果として生じた写真のざらつきを見たことがある方も多いのではないでしょうか。ノイズの程度はカメラの機種やタイプによって異なるものの、ISO感度の上昇とノイズの発生は全てのカメラに共通する事実と言えるでしょう。
多くの専門用語が飛び交うカメラの世界ですが、最も基本的なポイントとして、「ISO感度を高く設定すると明るい写真が撮れるが、ノイズが発生しやすくなる」という事実を覚えておくことが重要です。
ISO感度についての悩みと対策
ISO感度の設定に頭を悩ませた際には、基本的により低い値を選びましょう。低いISO感度は高画質につながり、可能な限りその数値をキープすることが望ましいです。
さらに、F値やシャッタースピードとのバランスを考慮しながら最適な設定を行うことが重要です。そして、ノイズに関しては、一概に述べることは難しいですが、実際に異なるISO感度で試し撮りをしてみて、ご自身が許容できるノイズのレベルを見極めると良いでしょう。
使用するカメラ機種ごとにもノイズの出方は異なりますし、人によって640のISOが限界と感じる場合もあれば、6400であっても問題ないという意見もあります。こうした差は撮影環境によっても異なってくるため、最も適したISO感度を自分自身の目で判断して、そのシチュエーションに応じた設定を導き出してください。
カメラの設定ポイント：ISO AUTOモードについて
カメラのISO感度を調整する際には「AUTO」設定が非常に役立ちます。この機能を利用すると、カメラが自動的にISO感度を他の撮影条件に合うように調整してくれるため、手軽に撮影を楽しむことができます。
このAUTO設定は、マニュアルモードのみならず絞り優先モードやシャッタースピード優先モードにおいても活用可能です。ISO感度選びで迷ったときは、このAUTO設定を試してみるのがおすすめです。
利用してみると、「このF値だとISO感度はどうなるのか」や、「シャッタースピードを速めたらISO感度がどれくらい変わるのか」という具体的なフィードバックが得られます。結果として、これが撮影の指針となり、理想の画質や写真表現に近づけることに繋がるかもしれません。
まとめ：ISO感度の理解で優れた写真撮影を
本日はISO感度の基礎知識についてご案内しました。撮像素子や電気信号といったややこしい用語が飛び交いますが、細部まで詳細に記憶する必要はないと考えます。
もちろん、説明する際には予備知識が役立ちますが、具体的な撮影時に「撮像素子がどうしたこうした」と考える場面は少ないでしょう。万が一理解が難しい場合は、大まかな用語だけ意識しておけば問題ありません。写真撮影は、知識よりも感覚が重要です。
しかし、ISO感度を理解していると、写真の粗さの原因やそれに応じた対策を見つけ、理想の一枚を撮る手助けになるはずです。
ISO感度を低く設定するとノイズが減り、高い画質で撮影できること、そしてISO感度を上げれば写真の明るさを確保できるものの、ノイズも増えやすくなることは覚えておきましょう。
さあ、今回覚えたことを忘れずに、ぜひ活用してください！
