【カメラ入門講座】35mm換算のミステリーを解明!センサーサイズの影響を解説表でわかりやすく紐解きます

「35mm換算」という表現を耳にしたことがありますよね。では、それが実際にはどういう意味を持つのか、考えたことはあるでしょうか。

このたびはその謎に満ちた「35mm換算」に迫ります。

意外と知られていない35mm換算の深みについてご紹介しますので、ぜひこの機会に理解を深めてください。

結論を先に言うと、「35mm換算」とは、異なるセンサーサイズのカメラでフルサイズカメラと同様の画角を得るために、焦点距離を基準に換算した値を指します。

35mm換算とは

ここで素直に結論から述べると、「35mm換算」とは焦点距離をフルサイズ基準で表した数値を意味します。同じことを異なる言葉で表現するならば、「フルサイズ換算」とも呼びます。

ではそれは具体的に何を意味するのかというと、各カメラにはセンサーが搭載されており、このセンサーのサイズはカメラの種類によって異なります。フルサイズと定義される基準のセンサーサイズをはじめ、APS-Cやマイクロフォーサーズ(4/3型)などが存在しています。

このセンサーサイズが異なると、同じレンズを使用しても焦点距離やレンズの明るさが変わってしまいます。このため、各種センサーサイズの違いを簡素化し、規格を統一するためにフルサイズに換算して表現する「35mm換算(フルサイズ換算)」が使用されるのです。

35mm換算で焦点距離の変換について

35mmフィルム換算での焦点距離は、以下の表に詳細をまとめています。今回は広く使用されている6種類のセンサーサイズを対象に説明しています。

デジタルカメラ、一眼レフ、ミラーレス、スマートフォンに広く使われている6種類の主要なセンサーサイズについて、一覧表を作成して紹介します。

センサータイプ サイズ 換算倍率 用途
フルサイズ 36.0mm×24.0mm 等倍 一眼レフ、ミラーレス
APS-C 23.5mm(23.7mm)×15.7mm 1.5倍(Canonは1.6倍) 一眼レフ、ミラーレス、コンデジ
マイクロフォーサーズ(3/4型) 17.3mm×13.0mm 2倍 ミラーレス
1型 13.2mm×8.8mm 2.73倍 コンデジ
1/1.7型 7.5mm x 5.6mm 4.55倍
1/2.3型 6.2mm×4.6mm 5.58倍 コンデジ、スマホ

例を挙げると、フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーそれぞれに装着されたカメラで、30mmレンズを使用してポートレート撮影を行う場合を考えます。

フルサイズカメラに30mmのレンズが備わっている場合、APS-Cカメラには実質30mmと同等の画角を得るために20mmレンズをつける必要があるのです。こういった計算を通じてフルサイズセンサーと同じ画角を得るためのレンズを選ぶ際の換算が可能です。

一般的にAPS-Cセンサーの場合はフルサイズの焦点距離に対して1.5倍(Canonの場合は1.6倍)、マイクロフォーサーズの場合は2倍の計算が必要になります。

フルサイズ基準の設定理由

焦点距離をセンサーサイズに関係なく均一化するために、基準を設けることが不可欠です。そんな規格の基本となっているのが、かつてのフィルムカメラの標準だった35mmフィルムです。これに因んで、35mm換算(フルサイズ換算)という術語が一般化しました。

ただし、レンズの焦点距離表記は、この35mm換算で記載されているわけではない点には注意が必要です。たとえばAPS-C専用レンズに記されている「20mm」という数字は、フルサイズ換算で考えると、実質1.5倍の「30mm」として理解する必要があります。

フルサイズカメラユーザーが「30mm」のレンズを使用しているとき、同等の焦点距離で撮影したいと考えるAPS-Cカメラユーザーは、単純な「30mm」のレンズではなく、1.5倍換算した「45mm」相当のレンズを選択することが求められます。

多くの混乱や認識のズレを排除するために、35mm換算(フルサイズ換算)の理解は必須です。この知識を身につけると、こうした勘違いを防ぐことができるため、是非覚えておいて損はありません。

まとめ:35mm換算の理解で撮影知識を深めよう

今回は、35mm換算(フルサイズ換算)に関する説明を行いました。35mm換算を理解するのは初めてのときは、「これは何を示しているんだろう?計算はどのように行うのだろう?」と戸惑うこともあり得ます。私自身も最初にこれを学んだときは、すぐには頭に入りませんでした。

しかし、日常的に目にしたり、使ったりする機会が多くなると、知識が自然と定着していきます。そのため、今後はお手持ちのカメラのスペックを確認してみたり、カメラショップで目にする機会があれば、35mm換算を意識してみてください。

35mm換算をマスターすることは、より快適に撮影をする助けになるだけでなく、レンズやカメラを選ぶ際の貴重な指標にもなります。ぜひとも35mm換算を身につけ、撮影技術の向上を目指してください。