新しくカメラやレンズを入手された方はその維持管理に気を配りたくなるはずです。
しかし、よく「湿度が敵」と耳にしますが、具体的な理想の湿度が分からないことも多いでしょう。
そこでこの度は、カメラやレンズを適切に保管するための理想の湿度に関する情報をお伝えします。
特に湿度管理に頭を悩ませている方には、ぜひ参考にしていただきたいです。
さっそくですが、保管時の湿度管理では40%~50%を目指しましょうというのがおすすめです。
カメラとレンズの湿気対策の必要性
カメラやレンズにとって、湿度は非常に厄介な問題を引き起こします。特に高湿度の環境下での保管は最も避けるべき事態です。その理由として、カメラやレンズにカビが生えやすくなることが挙げられます。
カメラやレンズを風通しが悪い箪笥(たんす)やクローゼットに長期間放置したり、カメラバッグの中でじっとしていることがあると、湿気がこもり、これがカビの発生につながります。
カビはレンズ内部に生えると、その影響で撮影された写真にも影が出てしまい、せっかくの素晴らしい写真の品質を劣化させる可能性があります。高温かつ多湿な条件は、カメラやレンズの最大の天敵と言えるでしょう。
カメラとレンズが低湿度に弱い理由
通常、高湿度による弊害は耳にしますが、低湿度が問題となることもあるのですか? 実は、極度に乾燥した環境下では、カメラやレンズに使用されている接着剤がダメージを受けるリスクがあります。
接着剤が損傷すると、部品が剥がれるなどのトラブルが生じる恐れがあります。また、レンズコーティングの劣化やゴム部品の硬化も、乾燥による代表的な問題点です。
たとえば、普段使用する輪ゴムが、直射日光や乾燥した場所に長時間放置されることで、気づいたら硬くなり、簡単に切れてしまう状態になることがありますよね。これと同じ現象が、カメラやレンズにも起こり得るのです。
そのため、過度に湿度が低い環境からも、大切なカメラ機器を保護する必要があるのです。
カメラとレンズに理想的な保管条件
カメラとレンズの理想的な保湿レベルとは、40%~50%が望ましいとされています。
60%を超える湿度ではカビの生育リスクが格段に高まります。
また、温度もカビの成長に影響を与え、室温が25度を超えるとカビの活性が増します。
従って、湿度を40%~50%に維持することが推奨されています。
同様に、気温も20度代前半を目安にコントロールすることが最良です。
カメラの保管における重要なポイント
湿気や温度管理だけではなく、他にも注意すべき要素は存在するのでしょうか?ダストや皮脂汚れはカビの生育に影響を与えるため、これらを栄養源としてカビが育つことがあります。
定期的にカメラのクリーニングやメンテナンスを実施することが大切です。布でさっと拭き取るだけでなく、ブロアーを使用してホコリを除去することも効果的です。
狭い空間に長時間カメラを置いたままにするのは推奨されません。特にカメラバッグ内での放置は避けるべきです。こうした状況は、カメラがカビの生育に適した環境になってしまうからです。
撮影後はカメラバッグから機材を取り出し、軽く清掃した上で適切に保管することがベストな対策です。
湿度コントロールの実践的アプローチ
湿度を維持するための方法には、大きく分けて2種類あります。それぞれの特徴を見ていくことにしましょう。
- 防湿庫
- ドライボックス
これらについて、詳細を順を追って説明していきます。
防湿庫の種類とその特徴
防湿庫にはいくつか異なる種類が存在し、それぞれに特有の機能があります。具体的には乾燥剤式とペルチェ素子式の二つが挙げられます。
乾燥剤式防湿庫は湿き気を吸収する乾燥剤を使用して湿度をコントロールする方法です。これは長期間の保守がほとんど必要なく、非常に便利に利用することができるため、私はこのタイプを推奨します。
一方でペルチェ素子式防湿庫は、湿度を室外へ放出することで管理します。この方式の防湿庫は、カビの発生を抑制する効果はもちろんのこと、脱臭機能を持つ製品も存在しており、追加機能に関しては優れた選択肢が多いです。
ドライボックスとタッパーカメラボックスについて
ドライボックスは、乾燥を保つために乾燥剤や湿度計を導入したシンプルな防湿ケースと捉えることができます。市販されている製品には、すでに除湿剤と湿度計がセットされているものもあります。また、ご家庭にあるタッパーを利用して作れる「タッパーカメラボックス」という代替案もあります。これも基本的にはドライボックスと同様の役割を果たします。
自作を検討する場合、その手軽さやサイズ調整の自由度の高さから、特にお勧めされています。詳しい製作方法については、関連記事をご覧になることをお勧めします。
まとめ:カメラ・レンズの理想的な湿度管理
カメラやレンズの保存における湿度の重要性についてご紹介しました。
ただし、湿度だけではなく温度や汚れにも配慮する必要があります。それでも、撮影機材を大事に扱う心掛けがあれば、問題なく管理できることが多いでしょう。
何か悩みが生じた際には、カメラのキタムラのような専門店で助言を求めるのも良い対応策です。これを忘れずに、適切な環境を維持しましょう。