「写真撮影の基本を抑えよう!F値の秘密と、開放と絞りの達人テクニック」

カメラの世界に足を踏み入れたばかりで、情報を集めてみるものの、理解しにくい専門用語が次から次へと出てきて、逆に頭を悩ますことがありませんか?

私たちは基礎的な説明はもちろん、難解な用語は使わずに、日常で目にするようなものに例えて、分かりやすい説明を心がけています。

今日取り上げるのは、カメラにおける「F値」に関するトピックです。

「開放」とか「絞る」という言葉を耳にするけど、具体的にどういう意味なのか理解できない、その辺りを簡単に教えてほしい、そもそもF値自体が何を指すのか知りたいという方々に最適な内容です。

F値はあらゆるカメラに備わっている重要な機能であり、この知識を持っていて損はありません。

まだF値について知らない方はこの機会に学び、既に知っている方はさらに理解を深め、もしばらく触れていなかった方もこのチャンスに再確認してみましょう。

それでは、F値に関する解説を始めます。

F値の基本を理解しよう

F値という単語を目にすることはあっても、その正しい読み方に自信がない方も多いかもしれません。正確には「エフチ」と読むので、この機会にしっかりと覚えておきましょう。

F値とは、簡単に言えばレンズの明るさを決定づける重要な数値のことです。「F」という文字は、「Focal(フォーカル)」の頭文字であり、「絞り値」と日本語で表現することもできます。

このF値には「開放」と「絞る」の二通りの状態が存在するわけですが、これを手輪っかで例えるならば、手で広げたときの開き具合が開放、手を狭めていく動作が絞ると表現できます。つまり、手の輪っかが開いていると多くの光を取り込むことができ、輪っかが狭くなると光の射入量は減少するわけです。なんとなくイメージは湧くでしょうか。ちなみに、実際に手を使って輪っかを作ってみるのも理解を深める上では良いかもしれません。

それでは、F値の「開放」と「絞る」という二つの概念について、次の節でさらに詳細かつ分かりやすくご説明していきたいと思います。

F値 ~レンズの開放について~

F値は数値を伴っており、小さい例としてF1.4や大きな数値であるF22などがあります。この数値が低い状態、つまりレンズの開放状態と呼ばれます。この時の言い方には「絞り開放」や「開放F値」という表現が使用されることもあります。これは、絞り値が開く、絞り値が開放になるという意味です。

F値を絞り開放に設定することの効果についてお話しします。この状態ではレンズが豊富な光を集めることができるのですが、この原理を一旦は忘れて、とにかく開放状態へすることで光をたくさん取り込めることを覚えておきましょう。

F値を絞り開放(数値を小さく)にすることで、多くの光を取り込むため、結果的に明るい写真を撮影することが可能になります。しかしながら、ただ明るくなるわけではなく、被写界深度と呼ばれる要素が影響を受け、これが浅くなります。

被写界深度が浅くなるとは、ピントが合う領域が狭まり、その周囲がぼんやりとボケて見えてしまうことを指します。主にピントの合っている対象は鮮明に、周辺部分ははっきりとせずボケた状態となり、背景として捉えられるようになります。レンズを開放すれば、そのようなボケ味を演出できる写真が撮れるわけです。

もし手の形をした輪で例えるならば、輪の中心を見ることで視界に入るその部分がはっきりと認識できますが、輪の外側はぼんやりとしているようなものです。これが絞り開放時のイメージとなります。

※後日、袏写界深度に関する詳細記事を公開予定ですので、そちらもご参照ください。

ボケ味の演出には絞り値の開放だけではなく、被写体との距離や焦点距離も関わってきます。しかしまずはF値を小さくすることで明るい写真が撮れること、そしてボケ味のある写真が撮影できるという点をF値の基本として理解しましょう。

F値の調整とは~絞りの理解~

絞りとはカメラのF値を大きな数値へ変更することです。例えば、F8やF22といった数値に設定することを指します。

F値を調節することで、いわゆる絞り羽根がどんどん閉じていき、「絞る」という表現が使われます。この操作により、カメラが捉える光の量が減少していくわけです。

手で作った輪で例えるならば、手を狭めることで輪のサイズが小さくなり、それを通る光が少なくなるのと同様の状態です。

では、F値を絞った場合、何が起こるのでしょうか。答えとしては、光の取り込み量が少なくなる代償として、被写界深度が深まり、ピントが合う範囲が広がることにあります。結果的に、写真全体がボケずにクリアに捉えられるようになります。

たとえば、自分自身や人物をハッキリと写したいが、同時に背景の風景も鮮明に残したいといった場合に有効です。被写界深度を深めることで、対象も背景もクリアに写ります。

ポイントとして覚えておくべきは、F値を上げるほど光の取り込みは少なくなるものの、ピントの合う範囲が広がり、結果として写真全体にピントを合わせやすくなるというこ情報です。これが「F値を絞る」という操作の意味するところです。

絞り値を選ぶのはシチュエーション次第

一つの正解は存在しないと私は認識しております。絞り値(F値)を選ぶべきかは、目指す写真のスタイルにより異なります。背景をぼかして注目点を際立たせたい場合、絞りを開放するのが適しているでしょう。逆に、景色全体をクリアに収めたい時は絞りを絞ることが適切です。夜景などの低光量環境では、絞りを開放して光を取り込むのが理にかなっています。

ある状況、たとえば夜になっても絞りたいと思ったら、F値を好みに応じて決定して、その上でシャッタースピードやISO感度を調整するのです。そうすれば夜であっても絞りを深くして撮影が行えます。

このように、絞り値は常にシチュエーションに応じて変更するべきものであり、開放が良いとも絞るが良いとも一概には言えないものなのです。

カメラ撮影技術:絞り優先モードの魅力

撮影モードの中でも特に絞り優先モードというオプションがあります。カメラメーカーによっては、Aモード、Avモード、AEモードなど様々な名称で呼ばれていますが、これらすべて絞り優先モードのことを指しています。

絞り優先モードとは、具体的には、F値を手動で調節し、シャッタースピードはカメラに自動的に決めさせる撮影スタイルのことです。ISO感度の設定も自動にすれば、F値だけを意識して撮影ができるので、使い勝手が良くなります。

こうすることで、F値に着目しながら撮影することに集中できます。例えば、ボケ感のある写真やシャープな写真など、F値次第で様々な表現が可能になります。これまでオートモードで撮影していた方は、絞り優先モードでF値に焦点を当ててみると、新たな写真の世界が広がるかもしれません。

オートモードだけでは味わえなかった写真撮影の楽しさを、ぜひ絞り優先モードを通じて体験してみてください。

F値の基礎知識:開放と絞りのテクニックの習得

この記事では、写真撮影におけるF値の基本をご紹介しました。F値は、写真の技術的側面において非常に重要な要素であり、その深い理解は撮影の質を飛躍的に向上させます。全てをここで説明することはできませんが、写真を撮る際にこれらの知識があることに越したことはありません。それでも、知識が全てではないと私は考えています。写真は結局のところ、あなたの目と心で捉えるものですから。

ただし、F値における開放と絞りの理解は非常に役立ちます。F値を小さく設定することで、より多くの光を取り込み、明るくぼかし効果のある写真を撮影することができます。一方で、F値を大きく設定すると光の量が抑えられ、写真全体がピントが合いやすく暗めの仕上がりになります。

この2つのポイントを覚えておきましょう。それでは、次回の初心者向けカメラ教室でお会いしましょう。